遺 言 書

遺言書は法定相続分よりも優先する。

 

 被相続人の遺言があった場合、相続財産の分割は、原則として、

 その遺言書に従って 行うことになります。遺言書が最優先されると

 いうことです。  

 遺言書を書くことは、残された相続人間の争いを避けるためにも、

 非常に大切なことです。

 「妻(夫)に全財産を残したい」

 「どうしても長男夫婦に住んでもらいたい」

 「世話になった息子の嫁、介護の人にも財産を譲りたい」

 「内縁の妻にも財産を残したい」

 「内縁の妻との子供を認知したい」

 「素行の悪い息子に財産を残したくない」など

 このような希望を自分が亡くなった後に実現させる為の方法が遺言

 制度です。 

 ただし、遺言書はただ書けば良いという訳ではありません。

 遺言の形式は民法で定められており、その形式に従って書かな

 ければ無効になります。

 

遺言書はどうやってつくれば・・・・

 

 遺言書の作成方法については法律で定められています。

 代表的な2つの遺言についてご説明いたします。

 

★公正証書遺言

 証人2人以上の立会のもと、公証人に遺言の趣旨を口頭で述べ、

 それに基づいて公証人が作成する遺言書です。

 公正証書遺言を作成するには、遺言者本人であることを証明するため

 実印、印鑑証明書を用意し、2人以上の証人と一緒に公証役場に

 行き、公証人に遺言書の内容を伝え、遺言書を作成してもらいます。

 公正証書遺言は、正本が遺言者に交付され、原本は公証役場に

 保管されますので、遺言者にとっては安心確実な遺言といえます。

 

★自筆証書遺言

 遺言者が紙に自ら遺言の内容の全文を書き、日付、氏名を書いて

 押印することにより作成する遺言です。

 

 ※平成31年1月13日に施行された法律により、自筆証書によって

 遺言をする場合でも、例外的に、自筆証書に相続財産の全部又は一部

 の目録(財産目録)を添付するときは、その目録については自署し

 なくてもよいことになります。(ワープロ、パソコン等での作成可)

 ただし、「毎葉(自署によらない記載がその両面にある場合にあっ

 ては、その両面)」に署名押印をしなければなりません

 詳しくは法務省ホームページ

 

 自筆証書遺言は、自分で書けば良いのですから、費用はかかりませ

 んが、法律的に不備な内容となる危険性があり、後に紛争となっ

 たり、無効になる場合もあります。

 自筆証書遺言は、遺言を発見した人が家庭裁判所に持参し、

 相続人全員を呼んで、遺言書を検認する必要があります。  

         

*注意点*

 ①自筆の遺言を見つけたら、家庭裁判所で検認を受けること
 ②封印のある遺言は勝手に開封しないこと
 ③遺言書で指定されている財産以外は、遺産分割協議の対象になる。